健康寿命とは、介護を必要とせず元気で過ごすことができる寿命のことを言います。日本における健康寿命は、男性が72歳、女性が74歳です。これは世界2位の長さとなっています。超高齢社会と言われている日本では、健康寿命をどれだけ延ばせるかということが、個人としてだけでなく社会全体としての超重要課題です。そんな中、口内の健康を維持することが健康寿命に直結している、ということに注目が集まっています。口内健康と健康寿命、一見すると関連性が薄いように考えられがちですが、口内環境が悪化することで認知症の進行が進むという研究結果も示されています。

健康寿命を延ばすために大切なこととして挙げられるのは、日々の適度な運動とバランスの取れた食事です。しかし、虫歯や歯周病などで口腔内の健康が損なわれてしまうと、食べる力や噛む力が減退し、摂取する食事の幅が狭くなってしまいます。実は、食べる力・噛む力が健康寿命に直結するというのは、この摂取する食事の幅が狭くなることにも原因があると考えられています。食べ物をよく噛むことができる人は様々な種類の食品を食べることができますから、バランスの取れた栄養素を日々摂取することができるとされています。

例えば、高齢者の肩で食べる力が弱くなっている方は、ゼリーやお粥のような柔らかいものしか食べられず、一日のうちに摂取する栄養素が偏ってしまう可能性があります。健康を維持するために必要だと考えられているカルシウムやビタミン、タンパク質などは、肉や魚といった噛んで食べる食物に多く含まれていることから、噛む力が減退してしまうと、それが健康状態にも深く影響してしまうのです。よく食べることが健康の第一歩であることは間違いなく、それは高齢者に限ったことではありません。小さなお子さまや若い方でも、虫歯や歯周病を放置したままにしていると口腔内が不健康な状態となり、食べる力や噛む力が減退してしまうことがあるのです。

そのため、日々の口腔ケアが非常に重要です。この口腔ケアとは、口の中の掃除とトレーニングをすることを言います。しっかりとした口腔ケアを行うことで食べる力が向上すると考えられています。噛む力や食べる力を向上させるために難しいことはなく、毎日行えるストレッチなどで手軽に効果を実感することができます。さらに、口内の症状に合わせた最適な歯ブラシを選ぶことでも食べる力を向上させることが可能です。

介護に頼ることなく健康なまま年を重ねるために、今からでも食べる力や噛む力を向上させることが大切です。