歯の表面が部分的に白くなっている。またはタバコやお茶で茶色く着色された部分がある。この原因はエナメル質に微細なひび割れが起きてしまっている状態で『マイクロクラック』または『エナメルクラック』といいます。歯に掛かる力は人間の場合体重相当といわれています。永久歯に生え変わってから数十年噛み続けているのですから40歳以上になると殆どの方にマイクロクラックが発生しています。マイクロクラックはミクロン単位のひびで部分的に白いのはひびに光が乱反射するためです。そのひびにタバコのヤニやお茶のタンニン質等が付着し着色されると茶色く見えます。

生活するうえで必ずできてしまうマイクロクラックですが、歯の健康上では良い状態とは言えません。微細なひびの間で細菌が繁殖し虫歯の原因になるからです。歯ブラシの毛の太さよりも小さいひび割れなので通常のブラッシングではマイクロクラック内の細菌を掻き出すことはできません。また知覚過敏を引き起こしたり、歯痛の原因の一つでもあります。強くものを噛んだ時にマイクロクラックからひびが大きくなり歯が割れてしまうこともあります。

マイクロクラックの予防で出来ることはまず固いものを噛まないことです。氷を噛み砕いたり、スルメを噛んだりは顎を丈夫にするかもしれませんが、歯はすり減るだけですよね。研磨剤の多く入った歯磨き粉で歯をゴシゴシ磨くのも良くありません。研磨剤は歯のエナメル質に傷を付けることにより、光を乱反射させて白く見せるものですので、きちんとしたブラッシングを行えば無くても良いものです。

またエナメル質の再石灰化を促進させるのもマイクロクラックにおいては有効な手段です。食後に口の中が酸性に傾くとエナメル質が溶けやすくなってしまいますので、マイクロクラックが出来やすい状態になります。唾液は酸性に傾いた口の中を中和する作用があり、カルシウムやリン酸も多く含まれるのでエナメル質の再石灰化を促します。唾液を多く出すには噛む回数を増やすこと、水分を多くとることです。キシリトールガムや再石灰化の効能のある歯磨き粉を使用するのも効果的です。薬の副作用で唾液の分泌が減少する場合もありますので健康に留意することが第一です。

食後直ぐの歯磨きもエナメル質を傷つける原因の一つです。酸性に傾いた状態でエナメル質を擦ると傷が付きやすいので、口の中が中和される30分から1時間後に歯磨きするのがマイクロクラックの予防に繋がります。ただし予防策も限定的な効果しか有りませんので、虫歯が無くとも定期的に歯科検診を行いオーラルケアを行うのが理想的です。