睡眠中にいびきをかき、歯ぎしりをしてしまう人もいるでしょう。特に歯ぎしりは安眠の妨げとなり、歯が磨り減ったり顎関節症になったりする恐れがあるため、治したいところです。
歯ぎしりは、寝るときにマウスピースを装着して、歯の磨り減りなどを予防するのが一般的です。歯科クリニックでは歯型を取ってからマウスピースを作成しますが、マウスピースをお湯に付けて柔らかくしてから自分の歯型に成型する市販品もあります。市販のマウスピースでいびきと歯ぎしりを同時に予防することは現状では難しいので、歯科クリニックへの相談をおすすめします。

いびきは舌が喉に垂れて気道を塞いでしまうのが原因です。一番悪いのは肥満で、舌も太って喉に垂れやすくなります。また、加齢によって舌筋が衰えることでも舌は喉に垂れやすく、生まれつき顎が小さい人も同様です。
舌を喉に垂れるのを防止するためのマウスピースは、下顎が前へ4~7mm突き出るように工夫されています。下顎が突き出ると舌根が引き上げられ気道が広がり、いびきの軽減が期待できます。
このマウスピースの材質は、歯ぎしり用と同じ高分子化合物となっているので丈夫です。歯ぎしりによって割れてしまうリスクは低いでしょう。
ただ、仰向けで寝るといびきをかきやすくなるのは変わらないため、マウスピースを装着して寝るときも横向きでの就寝が推奨されています。注意したいのは、歯が20本程度なければ入れられない点と、下の歯が上の歯よりも8mm以上前方に出せなければいけない点です。3割負担の場合で17,000円ほどの作成費用がかかります。

マウスピースは丈夫で長持ちしますが、歯ぎしりする人は歯並びや顎の位置が少しずつずれることがあるので、定期的な調節が必要です。歯のメンテナンスを兼ねて、何ヶ月かに1度は受診することを習慣付けるのがおすすめです。
また、マウスピースでの治療は絶対的な効果は期待できません。いびきの原因が肥満と思われる場合は少し痩せる、舌筋が衰えていると考えられる場合は筋トレをする、といった工夫が必要です。歯科クリニックでは、歯並びに影響する筋圧バランスを整えるための口腔筋機能療法(MFT)を実施し、舌や口周りの筋肉を鍛えるよう指導しています。
歯ぎしりにしても、寝る前に歯ぎしりしないことを自分に言い聞かせる自己暗示法を実施しましょう。さらに、ストレスを溜めないように生活することも大切です。それでも起きたときに顎や頭、肩などの痛みがひどくなっていくようであれば、ボトックス注射など、他の治療も視野に入れると良いかもしれません。