何気なく口を閉じたり開けたりすると、顎のどこかから口の動きに合わせて「カク、カク」と音が鳴っているように感じることはありませんか。実は、音が鳴っているのは、上の顎と下の顎が繋がっている部分、顎関節(がくかんせつ)と呼ばれる箇所です。顎関節は、直接手で触り、動きを確認することも出来ます。耳の穴のところに手を当てながら口を開けたり閉めたりすると、皮膚の下で動いているのが分かります。日頃、口の開閉で音が鳴ってると感じている人は、音に合わせて触っている手に振動を感じるかもしれません。

口の開け閉めで、顎関節から音が鳴るのは、「顎関節症(がくかんせつしょう)」の症状の一つです。顎関節症の症状は、3つあります。1つ目は、口が開かない、開きにくく感じる開口障害。2つ目は、口を開けると顎関節やその周囲に痛みを感じる顎関節痛、咀嚼筋痛。3つ目が、口の開閉で音を感じる顎関節雑音です。開口障害や顎関節痛、咀嚼筋痛のような実害はないけれど、口の開け閉めで音が気になるという人は、実は多くいます。具体的な患者数は発表されていませんが、大なり小なり何かしらの異常を感じる人は、全人口の半数以上ともいわれています。そして、男性よりも女性の方が数倍も罹りやすいともいわれています。このように、顎関節症は、決して珍しい症状ではなく、誰でも罹る可能性がある病気なのです。

では、顎関節雑音は、何が原因で起こるのでしょうか。顎関節雑音で悩んでいる多くの人が、顎の骨や周りの筋肉に異変があります。例えば、上下の歯のかみ合わせが悪いというのも、原因の1つです。他にも、歯ぎしりや頬杖、食事の時に片側だけで噛んでいるといった習慣も顎関節や筋肉に影響を及ぼします。歯の治療で金属の被せ物をいれたり、入れ歯を使っているが、それらが体に合っていないとそれも原因になりえます。また、ストレスや不眠症など精神的なものも原因になることがあります。過度なストレスや精神的な緊張は、筋肉を強張らせますがそれらは、顔の筋肉、顎関節の周りの筋肉にも及びます。

このように様々な原因により、顎関節雑音は起こるといわれています。ですが、実際に顎関節症が発症する原因は、1つだけというわけではありません。実は顎関節症は複数の原因が重なり合うことで、起こるといわれています。そのため、1つの原因を解決しても、なかなか症状は改善しません。顎関節雑音を、改善したいのであれば、様々な原因を考慮して治療をしていく必要があります。