歯ぎしりといえばストレスにさらされる大人がするもの、そんなイメージを持つ人も多いかもしれません。それだけに、1歳ぐらいの小さな子供の口からギリギリと歯ぎしりの音が聞こえてきたら、親御さんはギョッとしてしまうのではないでしょうか。中には子どもがストレスを溜めているのでは、と心配になる人もいるかもしれませんね。

実は、子供の歯ぎしりは大人とは理由が異なっており、多くの場合それほど心配する必要はありません。
乳幼児の約20%に起こるといわれている歯ぎしり。その原因は歯や顎の成長にあります。子供の歯ぎしりは大体生後6か月ごろに始まりますが、これはちょうど乳歯が生え始める時期です。歯が生えてくるときのムズムズした感じが子供に歯ぎしりを起こさせているようです。

子供の歯ぎしりにはメリットもあります。子供にとっての歯ぎしりは、食べ物を噛んだり擦りつぶしたりする動作の練習でもあるのです。大人には無意識にできるこの咀嚼という行動も、赤ちゃんにとっては経験のないもの。いずれ乳離れして自分の歯で物を噛み、飲み下していけるようになるための大事な準備期間ともいえます。
また、子供の歯ぎしりには噛み合わせを整える効果もあるといわれています。今生えている歯の位置を整えることで次に生える歯が入るスペースを確保したり、正しい顎の位置を決めるのも重要な目的です。

こうした理由で行われる子供の歯ぎしりは、乳歯が生えそろうにつれてだんだんとなくなっていきます。成長の一過程として起こるものなので、無理にやめさせる必要はありません。きつく禁止することがかえってストレスになってしまうこともあるので注意しましょう。

ただ、中には小児歯科での診察が必要になるケースもあります。適度な歯ぎしりは歯や顎の発達に役立ちますが、度を越してしまうと発達に悪影響を及ぼすことがあるのです。力が入り過ぎると大切な歯を削ってしまったり、歯の神経を傷めてしまうことがあります。原因不明のぐずりが続くときには、歯の痛みを疑ってみる必要があるでしょう。また、過度な歯ぎしりによって歯並びを崩したり、顎の成長を妨げることもあるので日頃からよくチェックしておく必要があります。

通常心配のない子供の歯ぎしりですが、素人では判断のつきかねる部分も多々あるのは事実です。万が一異常があった場合には早期発見・早期治療が重要になります。少しでも気になることがあれば、早めに小児歯科を受診しましょう。