歯ぎしりのイラスト
(イラスト提供:さんによるイラストACからのイラスト)

 

睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは一般的に歯や歯茎、顎などに大きな負担をかけてしまうため、危険な症状として改善することが望ましいと考えられていますよね。そのため歯ぎしりや食いしばりは悪いものだと考えられていますが、睡眠中に体が無意識に行ってしまうこれらの行為には実はいくつかの目的やメリットがあるのです。
その目的の一つとして大きなメリットになっているのが、ストレスの緩和だと言われています。人は精神的に不安やストレスを感じると、発散するために体をゆすったり歩き回るなど様々な仕草や行動をとりますよね。実は歯ぎしりや食いしばりもストレスを発散するための行為だと考えられていて、実際にネズミを使った実験や研究では歯ぎしりや食いしばりをした方がストレスによる影響が少ないことが判明しています。

そもそもストレスは歯ぎしりや食いしばりを起こしやすい原因の一つと考えられていますが、本当の目的はストレスを緩和するためだと考えられています。特に睡眠中の無意識の行動はストレスによる影響が出やすいと考えられているため、睡眠中にストレスを発散することで脳の回復を行っているとも言えます。
このため睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、ストレス緩和とともにストレスでダメージを受けた脳の回復ができるというメリットに繋がっています。そしてこれに関連した歯ぎしりや食いしばりの目的として挙げられているのが、体温を上昇させることです。

睡眠中だけではなく起きている時も含めて、何らかの理由で体温が下がってしまうと人間の体は生命の危険を察知してストレスや恐怖を感じたり、緊張状態に陥りますよね。そうするとこのような危険を回避するために、ストレスをスイッチとして無意識に歯ぎしりや食いしばりをするのです。
実は歯ぎしりや食いしばりをすると顎の関節に力が入り、交感神経を刺激します。交感神経は人間の体を興奮させるという特徴を持っているため、交感神経が刺激されたり活発になることで下がっていた体温が上がっていくというメカニズムが起きるようです。そうして体温が上がればストレスが緩和されるのはもちろん、睡眠の質を向上できるという点もメリットになっています。

このように睡眠中に無意識に体がやっている歯ぎしりや食いしばりは、ストレスから脳や体を守るという大きな目的やメリットがあります。そのためある程度の歯ぎしりや食いしばりは必要ではあるものの、過度な歯ぎしりや食いしばりは歯や顎に大きな負担となってしまうため注意が必要です。