歯ブラシの毛先は丸いものが絶対にいい。

そう語るのは、歯科医師の梅田龍弘氏。

梅田歯科医院の院長で、おもな著書に『あなたの人生を変えるスウェーデン式歯みがき』、『歯周病が3日でよくなる除菌歯みがき健康法』、『口呼吸は治る!歯みがきでよくなる画期的改善法』などがあります。

なぜ毛先が丸い歯ブラシがいいのか

上記の著書『口呼吸は治る!歯みがきでよくなる画期的改善法』によると、毛先が丸い歯ブラシがいい理由は、「象牙質を削らないようにするため」です。

実は、頑丈なエナメル質に覆われている歯のほとんどの部分は歯みがきくらいでは傷つかないのですが、エナメル質に覆われていない歯ぐきに近い部分、つまり、柔らかい象牙質がむき出しになっている部分は、比較的簡単に削れてしまうのです。

象牙質がむき出しになっている部分というのは、下記の図の青線で示した部分です。

歯と歯ぐきの境目部分(青線で示した部分)はエナメル質で覆われておらず、柔らかい象牙質がむき出しになっている。

 

毛先が尖った歯ブラシで磨くと、象牙質がむき出しになっているこの部分がどんどん削れていってしまい、知覚過敏になったり、歯ぐきが下がってますます象牙質がむき出しになったりするのです。

 

また、毛先が丸いだけでなく、柔らかめのもの(ソフト)を選ぶことも大切です。

硬い歯ブラシだと、たとえ毛先が丸くても象牙質を削ってしまいます。

歯ブラシは毛先が丸く、柔らかめがいい

これを覚えておくと良いです。

ゴシゴシ磨きよりこちょこちょ磨き

毛先が丸く、柔らかめの歯ブラシを選んだあと、磨き方も大切です

歯ブラシを水平方向に大きくスライドさせる「ゴシゴシ磨き」をやっている場合、歯垢が取れないばかりか、どんどん象牙質を削っている可能性があります。

まず、横方向に大きくスライドさせると、歯の表面にだけ毛先があたり歯と歯の隙間が全く磨けません。

つまりこれでは歯垢が十分に取れない。

そして、大きくスライドさせる時、結構な力が入っていますよね。

強い力でゴシゴシ磨けば、象牙質がむき出しになっている部分だけどんどんと削れていってしまいます。

 

おすすめは「こちょこちょ磨き」。

歯と歯の隙間に毛先が入るように歯ブラシを軽く当てて、小刻みに動かします

大きく動かしてはいけませんし、強い力で押し当ててもいけません。

軽く、優しく、小刻みに。

 

歯ブラシを押し当てる力の目安ですが、手の甲に当てた時に痛さを感じない程度の軽さが良いです。

もう少し正確に言うと、料理用の台ばかりに押し当て、100gの重さになる時の力が目安です(歯周病で歯ぐきが弱っている人は50gが目安)。

歯みがきの時、歯ブラシを強く押し当てると歯と歯ぐきを傷つけてしまう。強さの目安は台ばかりで100g程度。

 

なお、「こちょこちょ磨き」にすることで「ゴシゴシ磨き」よりは遥かに歯垢が取れるようになりますが、それでも歯と歯の隙間を十分に磨くことは非常に難しいです。

ですので、隙間磨き用にフロスを併用しましょう

よほど歯みがきが上手な人でない限り、効果的に歯垢を取るためにはフロスの使用は必須です。

「歯周病予防には細い毛先が有効」は本当か

ここまで毛先が丸い歯ブラシの利点を説明してきましたが、「歯周病予防には毛先が細い歯ブラシが有効」と言う説もあります。

その理由は、「細い毛先が歯周ポケットに入り、歯垢をかき出してくれるから」というものです。

テレビコマーシャルなどでよく見かけますね。

これは本当でしょうか?

 

上述の梅田医師の著書によると、「たとえ毛先が細く尖っていても、歯周ポケットに入るのはせいぜい1〜2ミリメートルの深さまで」とのことです。

歯周病の基準になる深さ4ミリメートルの歯周ポケットには、たとえ毛先が細くても届かないのだそうです。

だから、それよりは「毛先が丸い歯ブラシを選んで歯ぐきを保護しましょう」というスタンス。

細くて尖った毛先の歯ブラシで磨けば歯ぐきが傷つけられ、歯周病にも悪い影響を与えてしまうのです。

 

歯ぐきはデリケート。

無理に歯周ポケットの掃除を目指すよりは、毛先が丸くて柔らかい歯ブラシで歯ぐきをいたわってあげることが大切です。

まとめ

ここまでの話をまとめますね。

ぜひ歯ブラシ選びや歯みがきの時の参考にしてください。

  • 毛先は丸い方がいい(細く尖った毛先はダメ)
  • 柔らかめがいい(硬い歯ブラシはダメ)
  • こちょこちょ磨きをする(ゴシゴシ磨きはダメ)
  • 優しく軽い力で磨く(強く磨いてはダメ)
  • フロスも併せて使う(歯ブラシだけでは歯と歯の間が磨けない)

参考文献