顎関節症(がくかんせつしょう)による顎の痛みについてです。

口が開けられないほど顎の痛みがひどい場合には専門医に診てもらうことが第一です。

しかしながら、他の WEB サイトを見ていると、「病院に行っても良くならなかった」という方もおられるようです。

そこでこのページでは、「病院の選び方」(=病院に行く場合)と「自分でできるリハビリ方法」(=病院に行かない場合)の2つに分けて解説したいと思います。

病院の選び方(病院に行くなら)

顎関節症は、噛み合わせの異常によって起こる症状です。

ですので、根本的に治すには噛み合わせの治療が必要です。

しかしながら、噛み合わせの治療は非常に難しく、噛み合わせ治療に詳しい専門医でないと十分な処置ができません

歯科医あるいは大学病院の口腔外科であれば大丈夫、という安易なものではないのです。

 

病院の選び方としては、「日本顎関節学会」認定の専門医のいる歯科医院等が最有力候補です。

以下のリンクから検索できます。

日本顎関節学会 専門医・指導医一覧→ http://kokuhoken.net/jstmj/certification/list.html

まずはこれらの歯科医院で実際に医師の話を聞いてみて、その道に詳しい専門医かどうかを自分で見極めるしかありません。

患者側の知識も必要になってきますので、このページ後半の「自分でできるリハビリ方法」も読んで、ある程度の知識を身につけてから受診することをお勧めします。

 

なお、顎関節症の治療は「歯科」の守備範囲で、「口腔外科」「整形外科」などの領域ではありません。

何科で受診するか迷われる方もいると思いますが、「歯科」で大丈夫です。

自分でできるリハビリ方法(すでに病院で診てもらったなら)

上記の通り歯科医院で診てもらうことが第一ですが、それでも症状の改善が思わしくない場合には、こちらのリハビリ方法を試してみてください。

やることは3つです。

  1. 体の歪みを直すストレッチ
  2. 上顎の位置の調整
  3. 体や上顎の歪みを引き起こす行動をやめる

順番に説明していきます。

1.体の歪みを直すストレッチ

まず、鏡を見ながら自分の肩の高さをチェックしてみてください。

左右で高さが違いませんか?

次に、肩の丸まり方の違いを見ます。

左右どちらかの肩がより前側に丸まっていないでしょうか?

 

これらは、背骨の歪みから来る体の左右差です。

カバンをいつも同じ側で持つ、頬杖をつく、足を組むなど、日頃から左右のバランスが悪い姿勢をとっていると、背骨が歪んで上記のような左右差が出ます。

そして、背骨の歪みは顔の歪みを引き起こし(次項で解説)、顔の歪みが顎関節症を引き起こします

ですので、まずは自分の体の歪みを認識することが大事です。

ズレていることがわかったら、それを直すようにストレッチをすれば症状は改善します。

 

なお、最初だけはカイロプラクティック施術院や整体院で、詳細に体の歪みをチェックしてもらうのもいいでしょう。

自分で体の歪みを認識するのは、慣れないとなかなか難しいものです。

カイロプラクティック施術院などでは体の歪みをチェックするいろんな方法を教えてくれるので、そこで見方を覚えて、あとは自分でやってみればOKです。

 

歪みがわかったら次にストレッチで歪みを直していくわけですが、ストレッチに決まった方法はありません

体の歪みが直るような動作を探してみてください。

例えば、次のような動作が有効です。

  • 手を上に伸ばして思いっきり背伸びをする。
  • 丸まっている肩が開くように胸を張る。
  • 体を横に曲げて体側を伸ばす。
  • 鉄棒にぶら下がって体を伸ばす。
  • 座った状態で足を開き、片足ずつ前屈する。

2.上顎の位置の調整

次は、自分の顔をじっくり見ます

目の位置、鼻の形、口角と目尻との距離、耳たぶから下顎までの距離など、顔のパーツや「パーツ間の距離」に注目し、左右差をチェックしてみてください。

思った以上に顔が歪んでいることに気づくと思います。

さらに、鏡を見ながら下顎をゆっくりと引き下げてみてください

痛みがある場合はできるところまでで大丈夫です。

ゆっくりと口を開くだけの動作。

その時、下顎が左右のいずれかにスライドしたり、途中で引っかかったりするかもしれません。

これも顔の歪みが原因です。

 

実は、前項で説明した体の歪みが、このような顔の歪みを引き起こすのです。

ストレッチによって体の歪みが直れば少しずつ顔の歪みも改善しますが、長年の癖で固まってしまった顔の歪みを直すのは簡単ではありません。

 

そこで、顔ボネ(顔骨)の位置を調整することによって、顔の歪みを強制的に直してあげることが有効です。

「強制的」と言っても、「バキバキ」「ボキボキ」直すわけではなく、歪みと逆方向に「じわーっ」と手で負荷をかけてあげる程度。

その際、「上顎」「下顎」というざっくりとした捉え方ではなく、顔骨を細かく意識してください

ピンポイントで問題の骨を押してあげる必要があります。

 

大切なのは、上顎骨(じょうがくこつ)口蓋骨(こうがいこつ)蝶形骨(ちょうけいこつ)の3つ(以下の図を参照)。

顔の骨って、いくつもの細かい骨に分かれているのですね。

上顎骨(出典:ウィキペディア

 

口蓋骨(出典:ウィキペディア

 

蝶形骨(出典:ウィキペディア

 

ちなみに「口蓋骨ってどうやって押すんだ!?」と思われた方、とても鋭いです。

手で押せませんよね・・・。

この骨だけは、「舌」で押します

 

なお、これらの骨はいずれも上顎(うわあご)側の骨ですね。

顔の歪みを見ればわかる通り、下顎のズレではなく「上顎のズレ」が顎関節症の原因になっていることが多いのです。

このことも重要な事実です。

 

補足ですが、顎関節症の治療でよく登場するマウスピース

実は、マウスピースによる顎関節症の治療は、上顎がズレていないことが前提の、下顎の調整なのです。

したがって、上顎がズレている場合は、マウスピースによる治療は有効ではありません。

専門医はこの辺りのことも総合的に考えて、治療法を選択しています。

3.体や上顎の歪みを引き起こす行動をやめる

最後に、歪みの原因になるような行動をやめるようにしてください。つまり、「左右のバランスが悪くなる習慣」を徹底的に改善するのです。

以下に例を挙げておきますね。

 

【やめるべき悪い習慣】→【改善方法】

  • いつも同じ方の手でカバンを持つ → 左右の手でバランスよく持つ、またはリュックにする
  • 食事や仕事のとき足を組む → 足を組まない
  • 食事のとき机に片肘をついて食べる → 食事のとき片肘をつかない
  • 左右どちらかの歯ばかりで噛む → 左右の歯でバランスよく噛む
  • 頬杖をつく → 頬杖をつかない、背筋を伸ばす
  • 横向き、あるいはうつ伏せで寝る → 仰向けで寝る
  • 首が折れ曲がるような姿勢で壁にもたれて座る → 壁にもたれて座らない
  • 片方の足に体重をかけて壁に寄りかかる → 片足立ちしない、壁にもたれない
  • 顔を傾けて本を読む、あるいはスマートフォンを見る → 本やスマホは顔をまっすぐ前に向けて
  • 机に対して斜めに座ってパソコンをする → 机に正対して座る、机に寄りかからない

 

まだまだ他にもたくさんあると思うので、「バランス悪そう!」と思うことは徹底的に避けてください

やっているうちにバランスの悪い姿勢が何となく気持ち悪くなってくるので、そういう感覚を大切にすると良いと思います。

 

以上、「自分でできるリハビリ方法」でした。

 

関連する記事の検索結果を表示する↓