渡邉克晃(わたなべかつあき)

合同会社ライケン(Lichen Inc.)代表。物質・材料研究機構、東京大学、環境省などで9年間研究に従事し、2018年より現職。理学博士(広島大学)。

ごあいさつ

ーー面白く、誠実に、質の高い情報を

インターネットで情報収集するのが当たり前になってから、もうずいぶん経ちます。今は中学生でも小学生でも、タブレットやPCで手軽にリサーチする時代ですね。

便利なものはどんどん使っていけばいいので、個人的にこの流れには大いに賛成です。でも、インターネットというのは、良い情報も悪い情報も、ものすごい速度で拡散してしまいます。たとえ間違っていても、あるいは偏った考えでも、全世界に広めることができるのです。

もっと言えば、特定の思想を反映した情報を、いかにも「多数派の意見であるかのように」意図的にばらまくこともできます。

・・・ちょっと怖いですね。だから、インターネットは、知恵をもって賢く使ってほしいと思います。

 

さて、各種リサーチ業務を行う合同会社ライケン(Lichen Inc.)の信念は、冒頭に書いた「面白く、誠実に、質の高い情報を。」です。

1.面白く

まず、面白さを大事にしています。

平易な文章で、わかりやすく、かつ面白くお伝えできたらと思っています。さらっと読んで頭に入るような文章を心がけています。

2.誠実に

次に、誠実さです。

インターネットで情報を調べるとき、その情報が信頼できるかどうかの一つの判断基準は、「誰が書いているか」だと思います。信頼できる人、あるいは組織が書いていればオーケー、というわけです。

だから、ライケン社や渡邉が信頼されるように、誠実さを大切にしています。当たり前のことなんですが、嘘や誇張は書きません

3.質の高い情報を

そして最後に、情報の質。

ライケン社や渡邉が発信するWEBコンテンツは、入念なリサーチに基づいています。網羅性、論理性、中立性、信頼性を確保できるように、幅広くインターネットや文献を調査した上で記事を書いています。

それに加え、実際に自分で体験した「一次情報」を特に大切にしています。自分で使ってみる、現地に見に行く、専門家に会いに行く。こうした行動が「質の高い情報」につながると信じています。

 

当サイトが皆様のお役に立てれば幸いです。

なぜ「歯ぎしり」についてリサーチしたの?

今回は「歯ぎしり」をテーマにしたWEBコンテンツということで、制作秘話というか、「歯ぎしり」をリサーチすることになった経緯について、ストーリー調でお話しさせていただきたいと思います。

親知らずのおかげで歯医者マニアに

歯の健康に関しては、以前から高い関心があったんです。なぜかというと、私(ライケン代表・渡邉)には真横に生えた親知らずがあって、なんとかこの親知らずを虫歯にしたくなかったからです。

親知らずの虫歯って治療できないんですよね。もう抜くしかない。しかも、真横に生えた親知らずだと、抜くのがとても大変なんです

 

そこで私は、職場の近くにあった腕がいいと評判の歯医者さんに通い、定期的に歯磨き指導やクリーニングを受けました。

その甲斐あってか、3年間ほどターゲットの「親知らず」は無事でしたが、真面目に歯医者さんに通っていても、不思議と私の口から虫歯がなくなることはありませんでした。いつもどこかしら指摘され、削られるんです。

 

悩んだ私は、妻が通っていた自宅の近くの歯医者さんが良さそうだったので、今度こそと思ってそちらに乗り換えました。

その歯医者さんでは私の期待通り、しっかりとした虫歯予防措置を考えてくれました。私の歯に合わせて歯間ブラシや糸ようじ(フロス)を使ったケア方法を指導してくれ、定期的にフッ素コーティングもしてくれたのです。もう万全の体制でした。

 

・・・しかし。

 

やっぱり虫歯になったんです。ここまでやっても。もう本当にがっかりして、私は歯医者さんに泣きつきました。

  • 私「虫歯にならない方法ってないんでしょうか・・・。」
  • ドクター「甘いものやめるしかないですね。ケーキとかチョコレートとか。」
  • 私「あー、チョコレート好きなんですよね・・・。」
  • ドクター(心の声)「じゃあ諦めるしかないですね。ふふ。」(←想像です)

 

甘いものをやめるしかない。」この時はなんとなく聞き流していたんですが、結局はこれが、親知らず対策の最後の望みになりました。

恐れていたことが現実に:親知らずの抜歯宣告

ドクターの真摯なアドバイスを聞き流してしまったライケン代表・渡邉。そして、恐れていたことがついに現実のものとなってしまいました

  • ある日の歯科衛生士さん(一通りクリーニングが終わった後に)「・・・ちょっとドクター呼んできます。」
  • 私「あ、はい。」(しばらくして)
  • ドクター「あー、虫歯になってますね。右下の親知らず。

 

がーん。

 

私は目の前が真っ暗になりました。(←大げさですみません。)

しかし、ショックをなるべく顔に出さないように努力しながら、続きの話を聞きました。ドクターは死刑宣告(?)だけしてささっと別の患者さんのところへ行ってしまったので、歯科衛生士さんが後を引き取って説明してくれました。(・・・とても気を遣いながら。)

  • 歯科衛生士さん「今すぐに抜かなくてはいけないことはないんですが、ほおっておいて治るものではありませんしいずれは抜くことになります。虫歯が悪化すると抜くのが大変になることもあるので、早めに抜いてしまう方がいいと思いますが、いかがいたしましょうか。」

 

もうめっちゃ丁寧な言い方なんですが、要は「今すぐ抜きますか? 悪くなるまで待ちますか?」という2択です。

私はとにかく抜きたくなかったので、「今すぐ抜かなくていいなら、抜きません」と返答。

恥ずかしながら、その歯医者さんにはそれ以来行っていません。もうショックでショックで。

虫歯になった親知らずを治療したい!だけど・・・

私の悪あがきはまだまだ続きます。「歯ぎしりの話はいつ出てくるんだ」と言われそうですが、もう少しお付き合いくださいませ。

さて。抜歯宣告を受けた私は、とにかく抜かずに治る方法はないか、徹底的に調べることにしました。ホームページを調べまくって、抜かない治療をモットーにしている歯医者さんを探し出し、実際に行ってみました。

しかし、どれほど「抜かない治療」をホームページで宣伝していても、私の親知らずを診察したドクターは、口を揃えて言います。

これは抜くしかないですね。

 

もう抜くしかない。この現実を前に、私は徐々に抜歯を受け入れる気持ちになっていきました。

そうなると、次の関心事はこれです。「もし抜くとしたら、どういうプロセスになるのか。」

 

歯医者さんって、当たり前ですが「プロ」ですね。聞いていて引くくらいリアルに、かつ具体的に、抜歯のプロセスを教えてくれました。

私の親知らずの場合、真横に生えているために、別の歯が邪魔になって引っ張り出すことができません。そこでまず、

  1. 親知らずの頭の部分を切り取ります。次に、
  2. 親知らずの根っこが2又に分かれているので、1本ずつ抜き出せるように互いを切り離します。準備OK。そして、
  3. 歯茎を切開して1本ずつになった親知らずの根をペンチでつかみ、引っ張り出します。場合によっては、この時歯茎の骨を少し削ることになるかもしれないとのことです。

 

いや〜、正直恐ろしかったです。とてもじゃないけど、部分麻酔で乗り切れる気がしませんでした。

でも親知らずの抜歯で全身麻酔って、聞いたことがない。

そんなこんなで、今度は、いかにしてこの抜歯を楽に乗り切るかに関心が集中しました。またもやリサーチ。

うとうとしている間に治療してもらえる方法?

調べてみたら、ありましたありました。その名も「静脈内鎮静法」。半ば夢心地で、うとうとしながら治療してもらえる方法なんだそうです。

似たようなもので「笑気吸入鎮静法」というのはよく知られていると思います。低濃度の麻酔薬を酸素と一緒に混ぜて鼻から吸入する方法で、歯科治療の恐怖心やストレスを和らげる方法です。お子さんの治療などでとても重宝されています。

 

そして、笑気吸入鎮静法の効果をさらに強力にしたものが「静脈内鎮静法」です。笑気よりも鎮静効果の高い医薬品(鎮静薬)を血管内に注入することで、軽く寝ているような感覚で治療が受けられます。

患者さんにとっては、「いつの間にか治療が終わっている」という感覚なのだそうです。そのため、治療後もしばらくは病院でゆっくりと過ごし、意識が戻ってから帰宅するのだとか。親知らずの抜歯やインプラントの手術でよく使われます。

 

これは結構いいですよね。私もそう思いました。「もう覚悟を決めて、静脈内鎮静法で手術を受けようか・・・。」

でも、諦めずに「親知らずを抜かずに治療する方法」を探し続けたところ、なんと、ついにその方法を見つけてしまったんです!!

たどり着いた真理は「甘いものを食べるな」だった

親知らずを抜かずに治療する方法。それは、歯の自然治癒力を最大化し、患部の再石灰化を促す治療法でした。

この方法については別の機会に詳しくお伝えしようと思いますが、要は「甘いものを食べるな」を言葉通り実行するのです。シュガーカットと呼ばれ、徹底的に甘いものを食べません。ケーキ、チョコレートはもちろんのこと、甘いお菓子、清涼飲料水、焼肉のタレに到るまで、甘いと感じるものはとにかく食べません。

 

この方法、単純に「甘いものを食べると虫歯菌が増えるから」という理由でシュガーカットしているわけではありません。そうではなく、もっと積極的な目的があるんです。それは、

  1. 歯の再石灰化が起きるように、口内pHを中性付近に保つ目的
  2. 象牙質の体液循環が逆流しないようにして、虫歯菌が歯の内部に侵入するのを防ぐ目的

こういった目的で、甘いものを禁じています。ですので、「しっかり歯を磨けば、少しくらい甘いもの食べてもいいんじゃない?」という妥協は、残念ながら通じません・・・。

もちろん、虫歯がそこまでひどくない場合は、ある程度甘いものを控えるだけでも十分効果があり、完全にシュガーカットしなくても大丈夫です。しかし、私の場合は抜歯を宣告された切羽詰まった状態だったので、親知らずを抜きたくない一心で、徹底的にシュガーカットしました

 

その結果。

 

たった3〜4か月実践しただけで口内pHは中性付近に回復し親知らずの虫歯も再石灰化フェーズに移行して、歯医者さんからは「心配ない」と言われるまでになりました。

そして、殺菌効果のある「ドックベストセメント」を塗布するだけの簡単な処置をしてもらって、治療完了。あとは1年に1回様子を見せに行くだけでオーケー、という状態になりました。

 

これは、奇跡です。私にとっては。

あれだけ悩んだ親知らずが、抜くことなく治療できてしまいました。そのとき私がお世話になった歯医者さんは、日本国内における「歯の自然治癒」の第一人者である小峰一雄先生です。

自然治癒力を高めて歯を再石灰化する方法が、小峰先生の著書に詳しく紹介されています。

(↓Amazonリンクです。書籍の口コミ情報が見られます。)

小峰一雄『名医は虫歯を削らない:虫歯も歯周病も「自然治癒力」で治す方法

 

こうして私の親知らず問題は解決されたのでした。めでたし、めでたし。

 

・・・。

 

・・・ではないですよね。

ここに来て、ようやく「歯ぎしり」の登場です。(前置きが長くて申し訳ありません。)

甘いものを食べなくなってわかった、もう一つの重要な問題

親知らずの抜歯については、解決されたんです。これはもう本当に、素直に嬉しい。私はあまりの嬉しさに、すっかり安心しきっていました。

そして1年経ったある夏の日、私は経過を見てもらうために、再び小峰先生の元を訪れました。そうしたら・・・。

・・・ちょこっと虫歯ができていたんです。ショック。

 

小峰先生はあまり深刻な感じではありませんでした。口内pHが安定しているから大丈夫だと。でも、やっぱり気になる。甘いものを食べていないのに、少しだけとは言え、虫歯ができていた・・・。

私は小峰先生に素直に聞いてみました。「さらに虫歯をなくすには、何に気をつければいいのですか」と。(←素直さは大事です。)

 

すると、意外な言葉が返ってきました。

これは、(甘いものとか口内pHとかとは)違う原因の虫歯。あなた、歯ぎしりよくするでしょ? 歯を見ればわかる。歯の表面が傷だらけになってるの。この小さな傷の中に虫歯菌が入り込んで、虫歯になってる。」

 

なんと。

つまり、歯ぎしりが原因で私の歯の表面には小さなひび割れがたくさんできていて、そのひび割れのせいで虫歯になっていたのです。

甘いものをやめたことで、第一関門は突破しました。再石灰化のフェーズにも移行できました。しかしその結果、第二関門にたどり着いてしまった。今や私の虫歯の原因は、「歯ぎしり」なのです

 

思えば、最初に小峰先生に診てもらった時も、歯の表面の細かい傷については注意されていました。歯のすり減りも激しく、典型的な「歯ぎしりの影響が強い人の歯」でした。

歯ぎしりをなんとかしなければ・・・。

これが、小峰歯科医院歴2年目に突入した私の、もっぱらの関心事になりました。

歯ぎしりを治さない限り、シュガーカットしても虫歯はなくならない。これは一大事です。

歯ぎしりをなくすにはどうすれば・・・

小峰先生によると、歯ぎしりをなくすには、「夜8時以降に食べないこと」だそうです。これについては当サイトでももう少し詳しく説明していますので、下記リンクの「歯ぎしりタイプ別原因と治し方」をご参照ください。

あなたの歯ぎしりはどのタイプ? まずは「歯ぎしりタイプ」をチェック!

 

しかしながら、歯ぎしりについて調べていく中で、「歯ぎしり」にもいろんなタイプの歯ぎしりがあることがわかってきました。

飲酒や喫煙、ストレスなどの生活習慣が原因であることもあるし、大人と子供の歯ぎしりでは原因が異なるし、深刻な別の病気のサインとして歯ぎしりが起こっていることもあります。

 

つまり、歯ぎしりを治すにはタイプ別に原因と治し方を適切に選択する必要があるのです。そのためには分かりやすいフローチャートと、「歯ぎしりのことならなんでも分かる!」くらいの多様な情報をまとめたサイトが必要だと思いました。

そうして誕生したのがこのブログ『歯ぎしりは治せる!症状別原因と治し方』です。

終わりに

専門家の中には「歯ぎしりは治らない」という方もおられるようなので、このブログは結構チャレンジングな企画です。

情報の質には万全を期しておりますが、専門家の方からの叱咤激励はありがたくいただき、その都度改善・修正していく心構えでおります。

より良いサイト作りに励んでいきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

なお、当サイトの管理人であるライケン代表・渡邉は、2018年12月現在、歯ぎしりの症状は随分と治ってきましたが、疲れているときや体調が悪いときにはたまに歯ぎしりが再発しています

なので、保護用のナイトガード(歯科用マウスピース)も使っていますし、リラックス法やストレス軽減法、口呼吸のトレーニングなど複数の歯ぎしり対策を今でも続けています。

そういう体験談も貴重な「一次情報」としてお届けしていく予定です。